保育士
学習期間:12ヶ月
「子どもの保育」と「保護者に対して保育に関する指導」を行うことができる国家資格です。
保育士とは
【定義】児童福祉法第18条の4 保育士とは、第18条の18第1項の登録を受け、保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。
引用:全国保育士養成協議会
保育士を取る方法
1.指定保育士養成施設(厚生労働大臣が指定する、保育士を養成する学校その他の施設)で所定の課程・科目を履修し卒業する。
2.保育士試験を受験し、合格する。
保育士試験の受験資格:短大程度卒業以上(1991年3月31日以前に高等学校卒業も可)or児童福祉施設において一定期間以上児童の保護に従事+高専卒、高卒、中等教育学校卒。
上記いずれかに該当する者は、保育士の登録を受け、保育士証の交付をもって保育士として働くことができます。
保育士の難易度・評価
保育士試験の合格率は10~20%、平成30年度の合格率は19.7%となっています。
なぜ低めの合格率なのかというと、9科目全てで6割以上の得点が必要だからです。
1科目でも落としてしまうと不合格となるのですが、その代わり合格科目は3年間有効になるので、複数年かけて保育士資格取得を目指すという方もいます。
2016年より年に2回試験が実施され、試験に挑戦できるチャンスが増えたことでこうした複数年での保育士資格取得を目指す方には追い風となっています。
保育士の学習方法
保育士の学習をするには、大学や専門学校に行く方法、通信講座で学習する方法、独学などがあります。
専門学校や大学・短大では2~4年かけて保育士になるための講義を受け修了し卒業することで保育士試験を受けずに保育士資格が取得できます。
しかし、費用が年間100万円以上かかったり、大学や短大は入学試験に合格しなくてはいけないのでややハードルの高い選択肢です。
独学や通信でも、今は様々なテキストや講座が出ているので十分準備可能です。範囲となる9科目は以下の通りです。
1.保育原理
2.教育原理および社会的養護
3.子ども家庭福祉(児童家庭福祉)
4.社会福祉
5.保育の心理学
6.子どもの保健
7.子どもの食と栄養
8.保育実習理論
※教育原理と社会的養護は2科目で10問ずつ出題、残りは20問ずつ出題される。合計160問。
社会的養護・教育原理・社会福祉は比較的難易度が高いといわれています。どの科目も6割以上の正答が必要なので、捨てる科目を作らず、それぞれの科目をしっかり対策していきましょう。
独学だと、法改正の対策に対応しきれないこともあるので注意する必要があります。不安な方は通信を選択すると良いでしょう。
保育士を取得するメリット
保育士として働くためには必須の資格です。また、一度取得してしまえば更新不要の国家資格でもあります。
保育業界全体が人手不足の為、求人数が多い傾向にあり就職には困らないと言われています。これまで年1回だった保育士試験が年2回に拡大され、10年前と比べて合格率も上がっています。
このように保育士確保に向けた施策のおかげで受験者数・合格者数ともに増えています。ちなみに保育士として働くためには資格を取得した後に『保育士登録簿』への登録手続きが必要です。
保育士の仕事内容
主な仕事は『0歳~6歳までの乳幼児への保育』で、その他、それに付随する業務の遂行があります。
子ども達の日常的なお世話をしながら基本的な生活習慣(食事や睡眠、排せつ、清潔、衣類の着脱など)を身につけさせ、集団生活を通して子供一人ひとりの社会性を養う仕事です。
保護者との連携や、地域とのつながりを作ったり、掲示物の作成、イベントや行事の計画立案・実行 ・外部の研修などへの参加など、業務は対子どもだけにとどまりません。
「子供が好き」だけではなく周囲とのつながりも積極的にできる人柄が求められます。
保育士のやりがい
子どもの成長に携われる・子どもの笑顔に触れ合える、など子ども好きな方にとってはそれだけで大きなやりがいとなります。
その他、保護者から感謝されることや、イベントの成功などで得られる達成感なども大きなやりがいと言えるでしょう。
保育士の適正があるのはこんな人
- 子どもが好き
- 子どもの変化を見過ごさない
- コミュニケーション能力が高い
- 報告や相談を怠らずまめな性格である
やはり、職場環境上、子どもが好きな人でないと厳しいかもしれません。
ただ好きなだけではなく、子どもの体調の変化や表情などを敏感に感じ取り、適切な対応が出来る人は向いています。
保育士は対子ども以外にも保護者や職場の仲間とも円滑な関係を築いていくことが必要です。また、施設によっては地域の方との交流もあるため、ある程度のコミュニケーション能力が求められます。
子どものお世話以外にも、書類作成や連絡帳記入などの事務的仕事もあるため、職員・保護者ときちんと情報共有が出来るように仕事を進める能力も必要です。
保育士の給料、年収
【求人先】
◎正社員 月給:20万円〜25万円
【バイト求人先】
◎パート職員 時給:900~1,200円
受験者の口コミ
特技のピアノを生かした仕事がしたく保育士を目指すことにしました。スクールに通うのは時間的に難しかったので通信講座を利用。添削課題や実践問題集が苦手分野の洗い出しに役立ちました。
2人の育児を行う中で、保育士の仕事に興味を持ちました。国家資格なので一度取れば全国で働くことができる点も転勤族の妻である私には魅力的でした。 とにかく、時間を見つけてはテキストをノートにまとめることでインプットしました。9科目中、5科目合格、残りも期間内合格を目指します。
3回筆記試験を受験。念願かなって合格通知が届きました。 現役時代、自分の子育てにまったく関わることが出来なかったのがずっと気にかかっており、退職後に一念発起して勉強に励みました。学科は通信教育を利用、実技の音楽表現では学生時代バンドでギターを弾いていた経験が役立ちました。
初めは独学で合格を目指しましたが、働きながらの勉強は、全然はかどらなかったり、そもそも勉強の進め方からわからなかったりと苦労続きでした。一度目の受験は二科目しか受からず、このままでは期間内に残りの科目を取るのが難しいと判断。通信教育を利用しました。課題の添削や情報誌などに刺激を受けて勉強を続けることが出来たので、私には通信教育が合っていました。
これまでずっと機械メーカーの事務職でしたが、今の保育園に事務として転職して以来、もっと子どもたちと触れ合いたい、保育のことを勉強して仕事に役立てたいと考えるように。勉強は大変でしたが、育児の経験が役立ち、職場の先生方の温かいご指導もあり2年かけて合格することが出来ました。
保育士受験日当日の注意
- 1日がかりの試験
- 1科目の試験時間は1時間
- 科目ごとの間の休憩時間が30分
- 受験票・筆記用具・時計などの持参
- 受験票を忘れても試験会場本部で再発行可能
- 必要な人は昼食を持参
- 時間に余裕をもって行動(特にトイレ)
保育士試験は、初めての受験の方には1日がかりの試験です。
1科目ごとの試験時間は1時間ですが、幼稚園教諭の免許を持っている方や複数年挑戦していて合格科目がある方は免除科目の試験には来ないので、空席が目立つと感じることもあるかもしれません。科目ごとに受験者の入れ替わりがあるため、科目ごとの休憩時間が30分あるという特徴もあります。
持ち物は受験票、筆記用具、時計です。昼食が必要な場合は昼食を持ってくるようにしましょう。また、保育士試験は女性の受験生が圧倒的に多いのでトイレの混雑が予想されます。トイレはもちろん、時間に余裕を持った行動が大切です。
資格情報まとめ
資格・試験名 | 保育士 |
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主催団体 | 全国保育士育成協議会 |
試験区分 | 国家資格 |
試験日程 | 年2回 【筆記】4月/10月 【実技】4月/12月 |
受検料 | 12,950円 ※幼稚園教諭免許状所有者等で筆記・実技すべて免除の方は2,650円 |
申込期間 | 筆記試験の約3~4ヶ月前まで |
試験会場 | 全国47都道府県で試験を実施 |
試験ランク | なし |
受験資格 | 短大程度卒業以上(1991年3月31日以前に高等学校卒業も可) or児童福祉施設において一定期間以上児童の保護に従事+高専卒、高卒、中等教育学校卒。 詳しくはこちら →https://www.hoyokyo.or.jp/exam/qualify/detail.html |
合格率 | 約20% |
出題形式 | 筆記試験(マークシート)+実技試験 |
出題範囲 |
【筆記】 1.保育原理 2.教育原理および社会的養護 3.子ども家庭福祉(児童家庭福祉) 4.社会福祉 5.保育の心理学 6.子どもの保健 7.子どもの食と栄養 8.保育実習理論 【実技】 1) 音楽表現に関する技術 2) 造形表現に関する技術 3) 言語表現に関する技術 上記3科目のうち2つを選択して実演。 |
合否基準 | 筆記試験は各科目6割以上で合格。 ただし、2.教育原理および社会的養護については 「教育原理」「社会的養護」の各分野で50点中30点以上で合格。 1科目毎に判定される。 実技試験の合格基準は非公開。 満点(50点)中30点が合格ラインか。 |
結果発表 | 実技試験の一ケ月後 |
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保育士試験事務センター
(祝日を除く月曜日~金曜日9:30~17:30)
電話番号:0120-4194-82
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