プロジェクトマネージャー試験
学習期間:6ヶ月
プロジェクトマネージャー試験は、高度なIT人材として確立した専門分野をもち、システム開発プロジェクトの全体計画を作成し、人員や資源、予算、品質などを管理するための国家資格です。
プロジェクトマネージャーとは
プロジェクトマネージャーとは、情報システム又は組込みシステムのシステム開発プロジェクトの目標を達成するために、責任者として当該プロジェクトを計画、実行、管理する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する方を指します。
(1)必要に応じて、個別システム化構想・計画の策定を支援し、策定された個別システム化構想・計画に基づいて、当該プロジェクトをマネジメントする方法をプロジェクト全体計画として作成する。
(2)必要となる要員や資源を確保し、プロジェクト組織を定義する。
(3)スコープ・予算・スケジュール・品質・リスクなどを管理して、プロジェクトを円滑にマネジメントする。進捗状況を把握し、問題や将来見込まれる課題を早期に把握・認識し、適切な対策・対応を実施する。
(4)プロジェクトのステークホルダに、適宜、プロジェクト全体計画、進捗状況、課題と対応策などを報告し、支援・協力を得て、プロジェクトを円滑にマネジメントする。
(5)プロジェクトフェーズの区切り及び全体の終了時、又は必要に応じて適宜、プロジェクトの計画と実績を分析・評価し、プロジェクトのその後のマネジメントに反映するとともに、ほかのプロジェクトの参考に資する。
プロジェクトマネージャー資格取得方法
プロジェクトマネージャー試験には、年齢制限及び業務経歴に対して受験制限はないので、どなたでも受験が可能です。
しかし、プロジェクトマネージャー試験は、情報処理推進機構(IPA)が行う情報処理技術者試験の一区分に分類される高度なIT知識を必要とする国家試験です。
資格を取得するには、基本情報技術者と同等の知識が求められます。
プロジェクトマネージャー試験では、セキュリティやシステム、ソフトウェア開発の管理・技術だけでなく、組織運営に関わる内容も含まれた問題です。
また、毎年春期(4月)に1度実施され、試験時間は午前①・午後②を合わせて5時間の試験になります。
午前試験で記述式問題で合格した者のみ、午後の論文課題形式問題を受けれますが、論文試験もAランク以外は不合格となるので、非常に難易度の高い試験です。
プロジェクトマネージャー試験の難易度・評価
プロジェクトマネージャー試験は、情報処理技術者試験の中でも最高難度である「レベル4」に分類される、高度区分試験のうち1つです。
応募者に対する合格率は約14%となっており、その他職種向けの国家試験と比べてもかなり低い水準です。
特に高度区分試験を受験する方は経験を積んだエンジニアがほとんどであり、それにも関わらず合格率が低いことからも非常に難度が高いのがわかります。
また、プロジェクトマネージャー試験範囲の十分な知識を持っていても、不合格になるケースがあります。
その理由は、「定められた文字数で的確に意図を伝えられる文章力」です。
午後2試験だけでも、のべ原稿用紙6枚半~9枚分もの文章を書く必要があり、制限時間は2時間と短いため、考えながら書き続けて論理を破綻させない文章力が必要です。
資格を取得したら評価は非常に高く、プロジェクト全体を統括するプロジェクトマネージャーとして活躍できます。
プロジェクトマネージャーの平均年収は、20代で468万円、30代で622万円と、同年代の平均値に比べると高水準です。
プロジェクトマネージャーの学習方法
午前1の記述問題は高度区分試験全て共通となっており、応用情報技術者試験の午前問題(小問形式)から30問ピックアップされて出題されます。
うち60%ほどをテクノロジ系の問題が占めており、残り40%がマネジメント系とストラテジ系から出題されます。
基本的な学習方法として、過去問を中心に試験問題の傾向を把握し、ITの知識を高める学習が必要です。
また近年では、セキュリティ関係の問題が重要視されていますので、「セキュリティ」に重点を置いて学習するのをおすすめします。
午前2試験は午前1と同じ記述形式で、25問出題されます。午前1とは違い、同じ高度区分でも試験別に出題内容が変わります。
出題される範囲は、(プロジェクトマネジメント、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術、サービスマネジメント、システム企画、法務)があり、このうちプロジェクトマネジメント分野については最高難度である「レベル4」が割り当てられています。
知識の内容は、基本情報技術者試験の内容に類似する部分もありますが、専門書などでプロジェクトマネジメント分野を把握する必要があります。
そして、最後に重要な学習項目として論文を正確に書く知識が必要です。
この論文は、プロジェクトマネージャのケーススタディを的確に書く能力が求められます。
文章構構成力は当然必要ですが、プロジェクトの計画立案、品質管理、リスク把握などに関連する論文を、2時間以内に3つ書く記述式の問題もあります。
文字数は600~1,600文字なので、事前に正確な論文の書き方の学習をしてください。
プロジェクトマネージャー資格を取得するメリット
他企業への転職でキャリアアップを図る
プロジェクトマネージャーの資格取得は、収入アップにも結び付きます。
国家資格であるプロジェクトマネージャー試験に通って資格を有していると、プロジェクトの企画・管理・運営に関する豊富な知識を持ち、プロジェクトでリーダーを務める能力がある証明になるうえ、難関試験合格という実績が高く評価されます。
ITコンサルタントに転身して昇進・昇給を目指す
ITコンサルタントとは、プロジェクトマネージャーより上流の工程を担当する役職です。
顧客へのヒアリングから経営課題を明らかにし、どのようなシステムを導入すれば課題解決できるのか提案します。
プロジェクトマネージャー試験に合格後は、ITコンサルタントへ転職の場面でも、自分の強みのアピールポイントの1つとなるのでキャリアUP転職にも繋がります。
フリーランスでも活躍できる
プロジェクトマネージャーとして活躍するには、企業に勤務するほか、独立してフリーランスになったり、起業する道もあります。
難関試験であるプロジェクトマネージャー試験に合格すると、クライアントからの信頼度アップにもつながり、さまざまな案件に関わる機会が増える期待が持てます。
会社員ではなく、個人事業主として別の道を選択できるので、資格の強みを多岐に利用できるでしょう。
プロジェクトマネージャーの仕事内容
プロジェクトマネージャーの仕事内容は、システム開発計画を円滑に運営する責任者になりスタッフをまとめる業務になります。
その中で、システム開発の運用側に属し、システムアナリストの策定したプランを具体的に実行するため、開発プロジェクトの最高責任者としてプロジェクトを組織し、指揮、監督を行う仕事が中心になります。
また、プロジェクトマネージャー資格の保有者にはIT企業で勤務するだけでなく、弁理士、中小企業診断士、警視庁コンピューター犯罪捜査官、自衛隊の技術班として勤務する方もいます。
IT知識と技術が高い理由から様々な職種の選択が可能になり、仕事内容も勤務先で異なりますが、情報技術の最先端で責任者の仕事が基本になります。
プロジェクトマネージャーのやりがい
世の中で開発される最先端のIT技術に携われるのは、プロジェクトマネージャーのやりがいのひとつです。
企業の大きなプロジェクトには関係者の人数が多く、人間同士の問題が起こり、予定通りにいかない事象が発生します。
一方、逆に小さなプロジェクトでは、トラブルが起きた時に少人数で解決しなければいけない困難もあります。
そこで的確な対処をできるのがプロジェクトマネージャーです。
プロジェクトマネージャーとして技術や知識を効果的に活かし、高いマネジメント能力でIT事業が成功した時に、会社や同僚からの信頼度の向上は絶大です。
どんな場面でも、信頼される人材になり、高い評価を受けるのもやりがいに繋がります。
プロジェクトマネージャーの適性がある人
- ITの最先端で活躍したい方
- 指揮を取るのが得意な方
- コミュニケーション能力が高い方
- プロジェクトの業務管理、計画等が得意の方
- ITに関連する専門的知識をつけたい方
基本的に学歴や性別を問われることはなく、資格がなければ就けない職種ではありません。しかし、システム開発の実務に関する知識やスキル、十分なプロジェクト経験とコミュニケーション能力が求められます。
そのためにも、資格を保有して基礎知識を身につけるのは、大きなスキルUPになり国家資格の効力を活かせます。
プロジェクトマネージャーの給料、年収
【東京都内 IT企業】
◎正社員
月収:350,000円、年収500万円以上
(資格手当、賞与2回含)
【東京都内 IT企業 下請け】
◎フリーランス
時給:2,500円〜
受験者の口コミ
私は、現在IT系企業でソフト開発のSE業務をしています。しかし、会社の人事異動で部署が変わりIT業務から離れてしまいました。そこで、ITスキルを向上させて、スキルUP転職しようと思い、TACの通信学習を始めました。基礎知識は少しあったので、学習には馴染みやすい点もありましたが、難しい用語や専門知識は無かったので、有意義な学習ができています。まだ試験まで少しあるので、頑張ります!
中小企業でサーバー監視の仕事をしていますが、2年後に結婚することもあり転職を考えています。その中で、収入UPさせたいと思い資格取得を考えました。最初は、難しいと思っていましたが、通信学習の教材で少しずつ勉強しています。まだ、合格基準には至っていませんが、知識は増えてきていることを実感できるので、独学でも問題ないと思います。通信学習を続けて、来年の4月には合格を目標にがんばります。
過去に、IT企業で働いていましたが脱サラして個人事業として仕事を始めました。ITパスポートなどの資格は所持していましたが、プロジェクトマネージャー資格は、所持していませんでした。そこで、IT企業の外注や個人で多くの仕事を獲得していくために取得を検討しました。
スクールに通う時間は無かったので、通信学習を始めました。DVDでの通信学習だったので、非常にわかりやすく学習ができました。
基本情報技術者のプロジェクトマネージャー試験では、論文試験がありますが、ITの知識が解っていても、論文を書き上げる能力を身につけなくてはいけません。
私は、通信学習で過去問と論文の書き方を中心に学習しました。その結果、昨年プロジェクトマネージャー試験に合格しました。通信学習で空いている時間を使う学習方法は良いと思います。
会社で、上司にプロジェクトリーダーとして、みんなをまとめてほしいと言われたことが試験に挑戦したきっかけです。会社でプロジェクトをまとめる人材が少なく、常に上司が関わっていましたが、私が部下をまとめている姿を見て、プロジェクトマネージャー資格をとり、全てを管理できるようになってほしいと言われました。全ての計画や業務管理を行うと、やりがいと同時に部下からの信頼度も上がるので、推奨されました。そこから仕事から帰宅したら通信学習を一日2時間学習する生活を始めました。約1年かかりましたが、無事取得できましたので、頑張ってよかったと思っています。
プロジェクトマネージャー試験受験当日の注意
- 試験開始時間・試験会場の確認
- 筆記用具を持参
- 受験票
- 復習ができる参考書
年間に1度しかないプロジェクトマネージャー試験では、非常に緊張します。しかし、試験では焦らず、勉強してきた内容を冷静に記述しなければなりません。
また、受験者も多いので会場の座席は複雑な場合があります。そのため、時間に余裕を持ってからの行動をおすすめします。
資格情報まとめ
資格・試験名 | プロジェクトマネージャー試験(PM) |
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主催団体 | 独立行政法人情報処理推進機構 |
試験区分 | 国家資格 |
試験日程 | 毎年 4月 (一回のみ実施) |
受検料 | 5,700円(税込み) |
申込期間 | 試験日より約3ヶ月~4ヶ月前 |
試験会場 | 札幌、帯広、旭川、函館、北見、青森、盛岡、仙台、秋田、山形、郡山、水戸、つくば、宇都宮、前橋、新潟、長岡、埼玉、千葉、柏、東京、八王子、横浜、藤沢、厚木、長野、甲府、静岡、浜松、豊橋、名古屋、岐阜、四日市、富山、金沢、福井、滋賀、京都、大阪、奈良、神戸、姫路、和歌山、鳥取、松江、岡山、福山、広島、山口、徳島、高松、松山、高知、北九州、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、那覇 |
試験ランク | なし |
受験資格 | なし |
合格率 | 14.1% |
出題形式 | 午前Ⅰは30問、午前Ⅱは25問の四択 午後Ⅰは記述式で3問中2問に解答 午後Ⅱは論述式で2問中1問に解答 午後Ⅰまでが全てで60点以上かつ午後ⅡがA評価で合格 |
出題範囲 |
1.テクノロジ系:セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術 2.マネジメント系:プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント 3.ストラテジ系:システム企画、法務 論文試験 1. プロジェクトの立ち上げ・計画に関すること 2. プロジェクトの実行・管理に関すること 3. プロジェクトの終結に関すること |
合否基準 | 午前Ⅰ、午前Ⅱ、午後Ⅰ、午後Ⅱすべて100点満点で基準点(合格点)は60点となります。 |
結果発表 | 合格証書は、簡易書留で送付します。配達時に受取人が不在の場合は、郵便局で一時保管され、保管期間を過ぎると当機構へ返送されます。 |
プロジェクトマネージャーの勉強ができる通信学習一覧
資料請求 | 通信/通学 | 期間 | 料金 | |
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詳しく見る | 通信 | 6ヵ月 | 41,000円 |